畑も総合畑と単一畑があり、加えて、用語が単純でないから拍車をかけている。
しかし、用語を理解すれば、かなりのことが読み取れる。
用語を下記アコーディオンメニューに加えた。参照されたし。
地区(ベライヒ)には複数の市町村が含まれる。全ドイツでは41の地区がある。
それぞれの地区(ベライヒ)には、通常、複数(ひとつの場合もある)の総合畑(Groslage-グロースラーゲ)が含まれ、各総合畑は,さらに下位の単位である複数の単一畑(Einzellage-アインツェルラーゲ)に分けられている。
ベライヒの中心から外れた末端の畑のワインでもベライヒ名を名乗ることができる。
中部モーゼルの<ベルンカステル>などにその例が見られるが、ベライヒ名だけで販売されるワインの多くは、並みクラス以上のものではない。ヒュー・ジョンソンは「ポケット・ワイン・ブック」で、「ラベルにBereichとあれば、赤信号が点滅していると受けとめるべし」と記しているくらいである。総てとは言えないまでも心得ておいていいことであろう。
総合畑名は,同タイプのワインを大量に供給することを可能にしている。総合畑名の使用イコール低品質というわけではないが,最上級ワインは単一畑名で販売されるのが普通である。
より広範囲にわたって収穫されたブドウのブレンド、例えば地区ものや地域ものよりも、小範囲の収穫ブドウで造ったワインの方が、一般的に、より個性的で評価も高い。
単一畑の中には,自然的条件とワイン生産者の技術とが相まって、公的ではないが、一級畑として評価されているものもある(ベルンカステルのドクトールなど)。
しかし、単独畑と言っても、ピンからキリまであり、法定内の最低品質をやっと保っているような雑畑も数多くあることも忘れてはならない。
* 単一畑、総合畑とも、その名称が、その畑からの収穫ブドウで造られたワインの銘柄名になっていて、ラベルには、畑名だけでなく。町村名をも併記することになっている。その場合、町村名の後には<er>が付いている。 (例えば、BernkastelのDoctorの場合は、<Bernkasteler Doctor>とラベルには表記されている。
* 消費者にとって,2,600以上にも及ぶ単独畑名や150以上の総合畑名を知り記憶することは殆ど不可能。従って、ラベル上に記された畑名がどこのものか判断することは非常に難しい。あの女流ワイン評論家のジャンシス・ロビンソンですら、その著書で「筆者のように専門家とされる者でも頭が痛くなる」と言っている。消費者は畑名より生産者名に留意する方が賢明であろうと思われる。
Weinkellerei(ヴァインケラーライ)は、原料葡萄を購入して醸造を行う所。つまり、もっばら醸造を行う所、「ワイン醸造所」である。
Winzer(ヴインツアー)は、葡萄の栽培を行う者を意味するもの、「葡萄栽培者」。
上級酒には、Deutscher Sekt 又は、Sekt b.Aの表示があり、原料となるぶどうが13の指定栽培地(Anbaugebiet)で収穫されたブドウに限られる。